2012/11/11
生もの・生水


ハノイに駐在していた間に会社のスタッフの家に招かれたことが結構ありました。皆で集まってワイワイやるのが好きなようです。会社でもスタッフの誕生日には必ず会社の会議室に集まってお茶とケーキでお祝いするのが常でした。合弁会社設立直後にチーフアカウンタント(経理責任者)の家に名目は忘れましたが全社員が招待されたことがありました。家はハノイ市の中心部の集合住宅にあり年齢は30代半ばでしたが独身で両親と一緒に住んでいたようです。殆どのスタッフが集まりましたがもう一人の日本人のY氏は欠席でした。このとき出された料理は生春巻きが中心だったと思います。生の野菜や海鮮類をライスペーパーで巻いて食べるわけですが、生春巻きは今では日本でもすっかり定着していて若い人の間ではブームになっているようです。実は、当時東京の本社から日本と気候が異なる東南アジアの勤務に慣れていない私に対して固く言われていたのが生ものを絶対口にするなということでした。前任者が病気になったこともあり会社も私も若干神経質になっていたようで、実際赴任当初は歯磨きの水もミネラルウォーターを使用していました。しかし現地で生活していると例えば出された生春巻きを食べないわけにはいかず、ベトナム人の副社長と行ったレストランでは川魚の生の刺身が出てきて、この時はベトナム人が生魚を食べることを知らなかったので不意をつかれたような感じでしたが、やはり食べないわけには行きませんでした。ただ現地の生活に慣れてくると普通にやっていれば大丈夫なことも分かってくるので歯磨きの時にミネラルウォーターを使うことも止めました。ハノイの日本人に話を聞くと一度や二度は食べ物が原因で体調を崩したことがあったようですが、幸い私は食べ物が原因でそういうこなったことはなく丈夫に出来ているようです。精神的なストレスで胃腸に異変が生じるのは日常茶飯事でしたが。ベトナム人は冷たい水はあまり飲まないようで専らお茶を飲んでいたようです。一度、Ms.Vのお婆さんが一人暮らしをしていた家に皆と一緒に招待されたことがありました。このときは家内もハノイにいて一緒でした。HITCビルから少し西に行った地域だったと思いますが、老人が住む少し古いベトナム式家屋を訪れる機会はなかなか無かったので貴重な経験でした。裏庭にコンクリートで作った水溜があり少し郊外に行くとこの種の水溜はよく見かけたような気がします。もしかして水道設備がなくてその代用品だったのかもしれません(確認したことがなかったので定かではありません)。ビールを冷やす習慣がなかったようで、私はやりませんでしたがビールに直接氷を入れて飲んでいたようです。ビールに氷を入れるのはベトナム航空の機内のサービスでも普通にやっていたので当時は一般的だったようです。アパートでは「LaVie」というミネラルウォーターを飲んでいました。アパートの受付に電話するとLaVie一箱を直ぐにもってきてくれ、暑い夏に外出の際にはまるで命綱のように必ずLaVieを1本持って出かけました。
Posted by tsukuma at 06:04│Comments(0)