2016/04/12
Panama Papers Tax Haven



最近、租税回避地としての「タックス・ヘイブン(tax haven)」がやたらに登場し、パナマ、ケイマン、バハマ、英領バージン等がよく出てきます。日本ではまだそれほど問題にはなっていないようですが、欧州、ロシア、中国等ではかなり動きが激しく、アイスランドの首相が辞任したり、英国の首相がやり玉にあがったり、ロシアでは首相が西側の陰謀だと言ってみたり、また中国では情報へのアクセスが制限されたりしているようです。私の場合、最近こそないものの、かなり若いころから、Tax havenを利用した案件が普通に身近にあったような気がします。もっとも、私が関与したのは、問題になっている違法な利益隠しや税金回避ではなく、一部を除き、あくまでも合法的な(と思っていますが)ストラクチャーものだと理解していますが?
1.前の会社の日本本社や英国法人が銀行免許を持っておらず、Tax havenの柔軟性を利用して、実質ローンを行っていました。細かいことは忘れましたが、会ったこともない又将来会うこともない大手法律事務所の(例えば)ケイマン事務所の弁護士と連絡を取り、会社を作ってもらい、ストラクチャーを作るというパーターン。当初はメールがなかったので、Faxでやり取りをしていた記憶があります。終わった後に弁護士費用の請求書が届きましたが、会ったこともない弁護士からの請求書は恐怖でした。
2.これは問題でしたが、前の会社が会社更生を申立て破綻した時に、海外現法の損失を飛ばしている(隠している)ケースがありました。要は、海外現法の損失が出ている資産をtax havenに簿価で譲渡して、損失が会社とは関係がないようにして、会社として損失が出ていないように装うわけです。数年前に問題になったオリンパスの損失隠しも、おそらく同じ手法を取ったのではと思います?損失を隠す方なので、税法上は特に問題はないのではと思いますが、企業会計上・商法上は大問題で、違法性はかなり高いと思われます。会社破綻後、チームが結成され、解明に努めたのですが、案件を組成した人材が会社に残っていなくて、私もチームの一員として、主にオランダ法人の損失飛ばしの解明に努めたのですが、とにかくとびっきり優秀な元同僚が作ったストラクチャーなので、飛ばしの方法が単純ではなく複雑怪奇で、かなり時間をかけましたが100%分かりませんでした。最後は、オランダ法人の債権者には「御免なさい」と言って、罵声を浴びながら、謝った記憶があります。
3.前の会社がアメリカの会社に買収された後、また、今の会社に入社した当時は、会社の資産を担保にした証券化の案件で、倒産隔離(bankruptcy remoteness) を達成するために、資産をtax havenの会社に譲渡して、tax havenの会社と日本の会社が関係ないような仕組みを作り、日本の会社が倒産しても、日本の会社の債権者がTax havenの会社が持つ資産に手を出せないようにするものですが、結局証券の満期の前に日本の会社が倒産した例はなく、果たして倒産隔離が、理論どおり、有効だったのかどうかは分かりません。今の会社の証券化の案件の時には、人材が豊富にいた前の会社とは違い、そもそも英語が出来るものが殆どいなくて、弁護士への依頼も、倒産隔離に関する法律意見書(私も100%理解できたわけではなかったのですが)の説明も全て我々のチームで行ったのですが、会社からは、あとで送られて来た弁護士費用の請求書が高すぎるので再交渉しろと理不尽なことを言われたりしました。会ったこともない弁護士相手に、しかも事後に交渉なんか出来る訳もなく、心の中では「何を言ってやがる」と思ったりしましたが、暫く時間を置いて、実際何もしていないにも拘わらず、やっぱり駄目でしたと言って払ったものです。
4.昨日テレビを見ていたら、カリブ海に浮かぶ綺麗なケイマン諸島の景色が登場し、弁護士事務所が多数入居しているという近代的なオフィスビルが放送されていました。また無数の私書箱(PO box)が映し出され、そういえば、ケイマンの登記上の住所には必ず私書箱(PO box)が付いていましたね。



Posted by tsukuma at 20:08│Comments(1)
この記事へのコメント
Charter Capitalで検索したらこのブログにヒットしました。
今般、新生銀行のベトナム進出(*)に際して、彼の地に赴任することになりました。
(*)プレスリリース
http://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2016/161121military_j.pdf
20年の時差をもって同じような境遇に置かれることになりましたので、拝見させていただこうと思います。
今般、新生銀行のベトナム進出(*)に際して、彼の地に赴任することになりました。
(*)プレスリリース
http://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2016/161121military_j.pdf
20年の時差をもって同じような境遇に置かれることになりましたので、拝見させていただこうと思います。
Posted by TM at 2017/02/05 11:13